アルドノア・ゼロ EXTRA DAY 朗読劇はこんな話でした

基本、side.A (大原さんがいた方)準拠。

2015/6/23 訂正。伊奈帆は軍人のままらしいのでサイバネティクス研究室は軍の機関っぽいですね。

雨の中、カームが車で伊奈帆を送っている。現在伊奈帆はサイバネティクス研究室に所属、カームは大学に進学しているが、今日はサボってドライブに来ているようだ。目的地に着き、伊奈帆は礼を言って車を降りる。雨はまだやまない。

伊奈帆が来たのはスレインのいる牢獄だった。伊奈帆はスレインをチェスに誘うがにべもなく断られ、続けて自分がずぶぬれになっているのに雨なのかとも聞かないのかと問うが、そうした気遣いは月に置いてきた、いや今ここにいる自分が本当の自分なのかもしれないと返される。まるで哲学だな、やってみるといい、暇つぶしになるとおそらく本気でアドバイスする伊奈帆に、馬鹿にしてるのか、そもそも君は馬鹿だ、といつものやりとりをしたあと、スレインは沈み込み、放っておいてくれ、姫に頼まれて来ているならどうか忘れてくださいと伝えてくれと頼むが、拒まれる。伊奈帆は姫に頼まれたわけではなかった。それどころか、本編中メカイナホモードで会話して以来彼はアセイラムとは一度も会っておらず、彼女は和平のために世界中を飛び回っているという動向をニュースで知るのみだったのだ。伊奈帆はそんなアセイラムを鳥に例え、また来ると言い残して去る。

恐らくスレインの夢なのであろう、レムリナと過ごしていた頃の回想。地球から例の庭に鳥を取り寄せる相談。レムリナはマリルシャンに籠の鳥という言葉を教えられたこと、彼の実直さと裏表の浅はかさを回顧する。どこにも行けない籠の鳥と自虐しつつ、自分は望んでどこにも行かないのだと告げる(side.Zではこのあとスレインがハークライトに鳥の手配を命じる場面。繁殖は難しいでしょうと言われるが、スレインは死ねばまた持ってくればいいと返し、レムリナは自身を籠の鳥に例えていたが、籠の外には鳥を狙う獣が大勢おり、自分もそうした獣の一匹だと自虐する。ハークライトはスレインを誇り高い獣と呼び、改めて忠誠を表明する)。

宣言通りまた牢屋に来た伊奈帆。スレインは今度は今日も雨なのかと問う軟化を見せるが、哲学はやっていないのか、やらない、今度本を何冊か持ってくる、いらない、と再び険悪になる。この時、二人は互いをフルネームで呼び、コウモリ、オレンジ色とは呼び合わないこと……互いの関係のある部分の清算を確認する。食事をあまりとっていないようだが体を壊すからちゃんと食べろ、体を動かさないから腹が減らない、なら動かせ、命令を聞く筋合いはない、なら頭を使え哲学とか、哲学はやらないという応酬ののち、ならクイズだ、鳥はなぜ飛ぶのか?と残して伊奈帆は退出する。

回想。スレインに基地から出るよう促され、それを拒絶しようとするレムリナ。あなたを守るためですと説得されるが、私は行きません、守られたいのではなくあなたを守りたいのですという叫び。

再び牢屋に来た伊奈帆。濡れているな、ここの所ずっとだという会話。スレインの顔色を気遣ったのち、日本には四季があるそうだなという問いに、正確には六季で今は梅雨だと答える伊奈帆。アセイラムからの鳥は雨が降っても飛べるのかという質問を思い出すスレイン。なんと答えたか詳しくは覚えていないが濡れたとしても乾かせばまた飛べるのだろうとか答えたのだろうと言うと、伊奈帆は鳥の羽が雨を弾くメカニズムを解説し、クイズの答えを問う。スレインの答えは、外敵から身を守る、餌を取る、そして見渡すため。見渡す?と伊奈帆が聞き返すと、スレインは高く飛ぼうとして羽を休める枝をも超えて疲れ果て、あとは落ちるだけだった、所詮自分はコウモリで、誇り高い獣でもウミネコでもないと後悔を語る。それでも生きている、どうして生かしたんだ、さあな、探せば見つかるのか、見つからない。それでも探すんだろう、気が遠くなるな。だがいい暇つぶしになる、といった会話。多少気が軽くなったらしいスレイン、チェスの手を指しはじめる。互いに何手か指したところで、君の会話は抽象的で分かりにくいと文句をつける伊奈帆と、ぼくは普通だ、そっちこそ面白みがないと反論するスレイン。会話は事実を的確に伝えてこそだ、姫さまともそうやって会話してたのか、そうだ、お前とは分かり合えないな、お互い様だろう。

休暇中のユキ姉が寝るのに飽きて迎えに来る。海に行きたいという伊奈帆。昔鳥を見に行ったのだが見られなかったのだった。覚えてたのねと感動するユキ姉にそりゃ覚えてるよと伊奈帆(side.Zでは迎えに来るのはカーム。腹が減ったので韻子の家の食堂に行く話。カツカレーをカームに勧めておきながらそれにすると言われるとじゃあ自分はカツ丼にするとふざける伊奈帆)。

「女王陛下」となった地球のアセイラムから月のエデルリッゾへの通信。地球から送られた鉢植えが根付いた、母親から花嫁修業を迫られているといったエデルリッゾの報告と、エデルリッゾなら花嫁修業なんてしなくてもすぐにお嫁に行けますよと返し、雨の日本を想い、この季節特有の紫陽花という花の映像を送る約束をするアセイラム。雨の季節、鳥は羽を休めているのでしょうね。それでもまた、きっと……

海に鳥を見に来たユキ姉と伊奈帆の二人。ずいぶん低く飛ぶのね、雨に濡れたからかしら。でもまた飛べるんだ。

 

『雨の断章 -penultimate truth-』

空を飛ぶ生き物、スレインの言っていたとおり、と感動する本編中のアセイラムの映像で締め。